アートと建築

ゴールデンアワー

つかぬ間の魅惑の瞬間の美を捉える

夜明けの優美な目覚め。夕焼けの壮麗な輝きの訪れ。一日に二度、空はゴールドの光で満たされ、光が触れるすべてに壮大な感嘆とタイムレスな美しさをもたらします。影が伸び、色合いが深まり、水面に映る世界は力強い輝きを受けてきらめきます。ゴールデンアワーは、その一時的に現れる黄昏時の美しさで知られているように、時代を超えて多くのアーティストにインスピレーションをもたらしてきた存在であると同時に、定期的に現れる自然現象の中でも、最も感情に訴えかける存在なのかもしれません。

ゴールデンアワーの温もりに満ちた輝きと優美なひとときが始まった瞬間、この光が作り出す幻想的な光景は、ゴールドに対するあらゆる形態で現れる文化的かつ生来的な崇敬へと語り掛け、現実のもとのは思えないような美しい色彩へ意識を強く引きつけます。ゴールドは貴重な存在であると同時に、自然の美を体現する希少な存在です。ゴールドには無数の方法で周りを際立たせることができる特別な可能性が秘められています。

ゴールドにきらめく光のエッセンス

多くが予測不可能な自然現象にふさわしく、ゴールデンアワーの出現も一定ではありません。あらゆるものの表面をさっと撫でるかのようにほんの数分間だけ姿を現す時もあれば、1時間かけて辺りを光で包み込む時もあります。しかしその時間の長さを問わず、その温もりと燃えるようなまばゆい光が人々の想像力をかき立て、唯一無二の穏やかさや静けさをもたらす力は決して変わることはありません。ゴールドのような優美な輝きは光の分散と屈折プロセスによって作り出され、太陽の光が地球に近づき、太陽の青い光が大気圏に広がることによって生み出されます。この青い光の分散と大気条件の減速効果が交わることで、温かみにあふれた視覚的に立体感のある輝きが誕生し、自然界の美しさをなお一層際立たせるとともに、肌を美しく照らし出し、触れるものすべてをゴールドの輝きで包み込みます。

ゴールデンアワーの影響が美術史の規範に多大な影響をもたらした例が見られるのも、当然のことであると言えるでしょう。遠い昔から、世界の偉大なるアーティストたちはゴールドが抱く美しさとその影響力に魅了され続けてきたのです。芸術史の中でも最初に誕生し、視覚的に極めて強い印象をもたらす方法でゴールデンアワーを捉えた作品は、ルネッサンスの巨匠、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオが描いた具象画であると言えるでしょう。彼の印象的なポートレートは美しい金色の光を浴びており、自然現象と形而上学的な表現を同時に描き出しています。バロック時代のアーティストたちも同様に、対象となる人間を包み込む金色の光がもたらす力に魅了されていました。また、ベラスケスやレンブラントは金色で満たされた肖像画技法を生み出し、彼らの特徴的な画風を確立させました。

しかし、ゴールデンアワーが景観モチーフとして真に光を浴びたのは、戸外制作や18世紀と19世紀の空の景色や田舎の景色が誕生した時でした。広大な地平線や深い渓谷、嵐吹き荒れる海などを荘厳かつ映画のワンシーンのように描くジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーは、輝きを放つゴールドの美しさを真に理解しており、彼の有名な自然主義キャンバスの中で何度もその魅力を捉え続けていました。もう一人の偉大なイギリス人アーティストであるジョン・コンスタブルは、イギリスののどかな田舎風景を描き、ゴールデンアワーの独特な輝きを添えることで作品を際立たせました。彼はこの特別で一時的な習慣がもたらす長い影の効果や深い色合いといった本質を見事に表現していました。

The morning after the storm、1840~1845年、JMW・ターナー。ウェールズ国立博物館。 © 2021。写真:Scala Florence/Heritage Images
美が解き放たれるつかぬ間の瞬間
Street Errandsシリーズ ©KangHee Kim作。

ゴールデンアワーの尽きることがない魅力の一部は、感情に強く深く訴えかけるタイムレスな性質なのかもしれません。ゴールデンアワーは光が届くすべての範囲にゴールドの光が抱く無限の美しさを届け、太陽の純粋な温もりをその瞬間の感情的な温もりや、大自然の美しさの魅力、そして私たちの五感にもたらす影響力へと転換させます。ゴールデンアワーのかすみがかった光は、ありふれたものや瞬間を幻想的で懐旧的なものへと作り変え、繰り返される日常に劇的で印象的な瞬間をもたらします。その瞬間とは生き生きとしたエネルギーに満ちそれでいて穏やかで、現実的なものである一方で高尚な瞬間です。

こうして見ていくと、フォトグラフィーやビデオアートに起こった革新が、ゴールデンアワーの創造的可能性をさらに引き出し、表現や技巧の新たな極みへと引き上げ、そのインスピレーションあふれる魅力と影響力を現代にもたらしたことは、さほど不思議ではないでしょう。ゴールデンアワーが持つ魅力は、今も変わらず現代のアーティストと写真家を魅了し続けており、現在極めて著名なのはFrans Lantingです。彼の野生生物を捉えた写真は、夕暮れの光を取り入れて活用することで超現実的とも呼べるような強く印象的な作品を生み出しています。Bill Schwabは、多くの作品でソフトでおぼろげな白と黒を使用しているにも関わらず、この世のものとは思えないようなゴールデンアワーの魅力を見事に捉えています。彼の作品は、夜明けと夕焼けの光が日常を劇的に変化させることへの鋭い理解を持つアーティストを示す、主な例の一つです。

ゴールデンアワーの壮麗な輝きを受け、完璧な存在へと高められたのは、単なる自然風景や田園風景、渓谷の一面、かすみがかった湖だけではありません。この自然現象を都市環境で捉え、角張った人工的な存在を柔らかな夕日と並べて捉える現代写真家も数多く存在します。Kang Hee Kimはアイコニックな都市の景観をゴールデンアワーの輝きで満たすことで、遊び心ある懐郷的な印象とともにこの魅力を見事に捉えています。Marilyn Mugotの空想科学的な感性はレトロフューチャーな矛盾した表現を同様に実現させています。アート世界ではゴールデンアワーを捉えるために全く異なるスタイル、技術、ビジョン、アプローチが用いられていますが、人の心を捉えて離さない色彩の魅力は果てしなく広がっています。タイムレス、美、無限に姿を変えるゴールドの希少な性質は、明けても暮れても変わらず存在し続けます。

内側から生まれる輝き

スイス山脈の頂きに現れるゴールデンアワーのひとときに着想を得たラ・プレリーは、その唯一無二の美しさと輝きを再現し、肌へと届けるために新たにピュアゴールドコレクションを生み出しました。新しく独自に開発したPure Gold Diffusion Systemは、肌に素早く輝きを届け、肌をみずみずしいうるおいとつやめきで満たします。ピュアゴールドリチュアルは明るい肌印象へと素早く導きながら、ゴールデンアワーのような優美な輝きを肌にもたらす3つの上質な成分でうるおいを保ちます。生き生きとした輝きとうるおいで肌を満たし、光を生み出しているかのような艶めく肌へと導きます。

ピュアゴールドコレクション